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どっちの遺言が有効?

 相続相談なら香川県高松市「ひろせ司法書士・行政書士事務所」豊島大智です!

事件は亡くなったAさんのお葬式で起こりました。

 Aさんの息子の嫁が「孫に全財産を相続させる」という内容の公正証書遺言書を持ってきました。

しかしAさんの妻も「妻に全財産を相続させる」という内容のAさんの自筆の遺言を持っています。

息子の嫁は「こっちの遺言は公正証書なのだから、遺産は孫のもの」と主張します。
一方で、Aさんの妻は「こっちの遺言のほうが最近書かれたものだから、遺産は私のものよ」と主張します。

 果たして遺産は誰のものなのでしょうか?

1 日付が早い方が優先

 一般的に遺言書には、本人が全文を自筆した自筆証書遺言と、公証役場で公証人が作成した公正証書遺言があります。
どちらも「有効な形式で作成されていれば」その効果に差はありません。

今回の事件のように、矛盾する内容の遺言が複数枚出てきたときには、原則、日付の新しいものが優先します。遺言は遺言者の最後の意思を伝えるためのものという考えからです。

よって今回の事件では、遺言が有効であれば、遺産はAさんの妻のものということになりそうです。

ではどのような遺言であれば有効と言えるのでしょうか?

2 自筆証書遺言

 自筆証書遺言は自分で書く遺言です。思い立った時にいつでも書くことができ、書いた後に気が変われば、いつでも書き直すこともできます。
しかし書き方に注意しないと遺言自体が無効になることもあります。

特に以下のことには注意しましょう。

①全文を自分で手書きする

自筆証書遺言を書くときはすべて自分で手書きしなければいけません。
自筆証書遺言は、筆跡から本人が書いたものかどうか判別するためです。
よって他人が代筆して書くことはもちろん、ワープロなどを使って作成することはできません。

②日付

前述したように、遺言の効果を判別するうえで日付はとても重要な要素です。
日付の記載がない遺言は無効になります。
また、「令和〇年〇月吉日」という書き方も無効です
しっかり日にちまで記載するようにしましょう。

③署名と押印

遺言書には必ず署名押印をしましょう。
署名押印が無い遺言は無効になります
使用する印鑑に特に指定はないので、認印でも有効です。

 上記のような形式的な部分に加えて、遺言の内容に応じて注意しなければいけないことがいろいろとあります。

自分で遺言書を作成するのに不安がある人は、次で紹介する公正証書遺言がおすすめです。

3 公正証書遺言

 公正証書遺言は公証役場で公証人が作成する遺言です。

手数料がかかることや、公証役場に行かなければいけないことから、自筆証書遺言に比べて作成のハードルが高いといえます。

しかし、公証人が法律の手続きに基づいて作成してくれるので、遺言の内容や形式でトラブルになることが少ないです。
また公証役場が遺言書を保管してくれるので、紛失や変造といったトラブルにも対応できます。

4 まとめ

 遺言は遺言者の最後の意思を伝えるものであり、相続において非常に強い影響力を持ちます。
そのため、法律に基づいてしっかりとした遺言を作成しておかなければ、遺言者が亡くなった後に思わぬトラブルにつながることがあります。

 ひろせ司法書士事務所では遺言作成のサポートを行っています。

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