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遺言書の検認について

公開日:2023年12月28日
更新日:2024年1月30日

香川県高松市ひろせ司法書士事務所行政書士事務所の古市です。

実際にあったお話です。

夫が亡くなり、遺言書検認手続きも終えたあと、事務所にご相談に来られました。
奥様は夫の残した遺言書の内容通りに相続手続きを進める予定でした。
しかし、ご持参いただいた遺言書を見て司法書士がお伝えしたことは…

「この遺言書は有効ではありません。」

奥様は唖然とされていました。
せっかく夫が残した遺言なのに… 
ましてや家庭裁判所で一か月以上もかけて検認手続きまで済ませたのに…

そりゃ驚くと思います。家庭裁判所の方も教えてくれれば良かったのにと個人的には思ってしまいました。

そこで今回のテーマは、遺言書の「検認」についてです。
検認とは何か、どんな手続きを行うのか、またなぜ今回のような事が起こったのか説明します。

まず検認とは

家庭裁判所において相続人の立会いのもと遺言書を開封し、その内容を確認します。
それ以後の遺言書の偽造を防ぎ、確実に保全することが出来ます。

(裁判所のHPより)
相続人に対し遺言の存在やその内容を知らせるとともに、遺言書の形式、加除訂正の状態、日付、署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして、遺言書の偽造・変造を防止するための手続きです。

検認が必要な遺言は?

遺言にも種類がありますが、家庭裁判所での検認が必要となるのは下記の2つです。

☑自筆証書遺言:全文が自筆で書かれたもの(財産目録を除く)
 ※法務局での保管制度を利用されている場合は不要です。

☑秘密証書遺言:遺言の内容を秘密にしたまま公証人にその存在を証明してもらうもの

公正証書遺言は偽造されることも無いので検認は必要ありません。

遺言書を見つけても勝手に開けてはいけない

手書きの遺言書を見つけても勝手に開封しないでください!
開封すると5万円以下の過料に処せられる場合があります。
しかし、開けてしまったからといってその遺言が無効になるわけではないので安心してください。
また、うっかり開けてしまった後でも検認は必要となります。

検認の流れについて

①家庭裁判所に検認の申立
 申立人が遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に検認の申立を行います。

   【必要なもの】
  ・申立書
  ・遺言者の出生から死亡までの戸籍謄本
   ※相続人に親、兄弟姉妹、甥姪がいる場合は追加の戸籍が必要となります。
  ・相続人全員の戸籍謄本
  ・収入印紙800円
  ・郵便切手

②検認期日(検認する日)の日程調整
 申立人と検認期日の日程調整を行います。日程が決まると、相続人全員に検認期日についての通知が届きます。出席するかどうかは各相続人の自由です。

③検認期日(検認する日)
 当日、申立人は遺言書を持参します。そして出席した相続人の前で遺言書を開封し、検認が行われます。

④検認済証明書の申請
 検認後、検認済証明書の申請を行い、遺言書の原本とともに保管してください。

 費用:収入印紙150円 

 

検認を申立てから検認期日まで、おおよそ一か月以上は必要です。
戸籍謄本などの必要書類も揃えないといけないので早めに準備に入りましょう。

検認後は遺言書の内容に従って相続手続きが可能となりますので、預貯金の解約や不動産の名義変更を行ってください。

検認が済んだら遺言書は有効?

勘違いしやすいのが、検認が終わったからといってその遺言書が有効とは限らないことです。
冒頭での依頼者様が持参された遺言は、全文がパソコンで作成されていました。
自筆証書遺言は全文が自筆である必要があります(財産目録を除く)。
そのため今回の遺言書は、検認は済んだが有効に取り扱うことが出来なかった、というわけです。

検認は遺言書の有効・無効を判断する手続きではないということですね。

せっかく書き残した遺言でも有効に使えないとなるとあまり意味がありません。
ひろせ司法書士事務所では、ご依頼人様それぞれの状況に合わせた遺言作成のお手伝いをさせていただきます。

初回面談は無料です。是非ご相談ください。